犬を飼うとできなくなることと対策まとめ|制限される生活のポイントを解説

犬は、家族に喜びと癒しをもたらしてくれます。しかし、大きな責任を伴うのが犬の飼育です。犬を飼うと、今までできていたことができなくなります。この記事では、犬を飼うとできなくなることやできること、飼う際の注意点について解説します。

記事を読むと、犬を飼えるかどうかの判断が可能です。準備不足のまま犬を飼わないように、しっかりと学びましょう。

目次

犬を飼うとできなくなること

犬を飼うとできなくなることは、以下の7つです。

  • 気軽に旅行に行けなくなる
  • 長時間の外出が難しくなる
  • 使えるお金が制限される
  • 趣味の活動が制限される
  • 掃除をさぼれなくなる
  • 住む場所が制限される
  • 睡眠時間が制限される

気軽に旅行に行けなくなる

犬を飼うと、気軽に旅行に行けなくなります。泊りがけの旅行では、犬の世話ができません。ペットホテルやペットシッターを利用する方法もありますが、環境の変化に敏感な犬は、大きなストレスを感じます。ペットホテルは1泊あたり数千円かかるため、費用も上乗せされます。

旅行先をペット同伴可能な場所にしたり、犬と一緒に楽しめるレジャー施設にしたりするのがおすすめです。ペット同伴で旅行する場合は、移動手段や宿泊先が限られるため、事前計画が欠かせません。海外旅行では、検疫などの手続きが必要になり、ハードルが高くなります。

旅行が趣味の人や頻繁に旅行に行きたい人は、犬を飼う前に、旅行の制限を十分に理解しましょう。

長時間の外出が難しくなる

犬を飼うと、長時間の外出が難しくなります。犬は基本的に、飼い主と一緒に過ごすことを好む動物です。長時間の留守番は、犬にとって大きなストレスになり、問題行動を引き起こす原因にもなります。以下のライフスタイルの人は、注意が必要です。

  • 仕事で帰りが遅い
  • 休日は外出多い
  • 出張がある

子犬や老犬の場合は、排泄の世話や健康管理のために、こまめなケアが必要です。子犬や老犬は、食事の回数が3~4回となるため、昼間に食事を与える必要があります。日中に世話をする人がいない場合は、仕事の休憩時間や空いた時間に自宅に帰って食事を準備しなければなりません。

犬を長時間一匹で留守番させると、不安や寂しさから吠え続けたり、家の中を荒らしたりすることがあります。犬を飼う前に、ライフスタイルを見直し、犬のために十分な時間を確保できるか検討してください。
» 犬の食事管理のポイントを詳しく解説!

使えるお金が制限される

犬を飼うと、犬にかかる費用が発生するため、自由に使えるお金が制限されます。食費は、ドッグフードの種類や量によって大きく変わります。安価なドッグフードは、食費を抑えられますが、犬の健康のためには、品質の良いドッグフードを選びましょう。

犬種によっては、特定の栄養素を多く必要とする場合や、アレルギーのために特別な食事療法が必要となる場合もあります。ペット用品代は、首輪やリード、ベッド、トイレ用品、おもちゃなどのアイテムが必要です。

ペット用品は消耗品なので、定期的に買い替える必要があります。医療費は、予防接種やフィラリア予防薬、定期的な健康診断などの費用が含まれます。病気やけがをした場合には、高額な治療費が必要です。

高額な治療費を避けるために、ペット保険の加入も検討する必要があります。トリミングサロンやペットホテル、ペットシッターなどのサービスを利用する場合は、さらに追加費用が発生します。犬を飼う前に、犬にかかる費用を十分に考慮し、経済的な負担に耐えられるかを慎重に判断してください。

趣味の活動が制限される

犬を飼うと、楽しんでいた趣味が制限される可能性があります。アウトドアや家を空ける時間が多い趣味の場合は、犬を飼うと自由にできません。インドアの趣味であっても、楽器演奏や映画鑑賞などは、犬の性格によっては制限される場合があります。

大きな音を怖がる犬や音に敏感な犬の場合、楽器演奏や大音量での映画鑑賞は、ストレスになるからです。防音対策をしたり、安心して過ごせる場所を確保したりするなどの配慮が必要です。友人との付き合いにも影響が生じます。犬を飼っていると、友人との食事会や飲み会などが制限されます。

犬を長時間留守番させられない場合、夜遅くまでの外出や外泊には参加できません。犬を飼う前に、趣味やライフスタイルを見直し、犬と生活できるかを慎重に検討しましょう。

掃除をさぼれなくなる

犬を飼うと、掃除に時間がかかります。抜け毛の多い犬種を飼う場合は、毎日の掃除が欠かせません。以下の掃除作業は日常的に必要です。

  • 床の掃除機がけ
  • 足跡や汚れの拭き取り
  • 犬用ベッドの洗濯
  • おもちゃや食器の洗浄

犬の毛は、カーペットやソファーだけでなく、洋服や寝具など、さまざまな場所に付着します。毎日掃除しないと、毛だらけになるため、注意してください。外で遊んだり散歩したりすると、足裏が砂や土で汚れるので、玄関や廊下などの汚れも目立ちやすくなります。

子犬や老犬の場合、トイレを失敗することもあります。カーペットや床に、シミや臭いが残らないよう素早く掃除する必要があります。掃除が苦手な人や忙しくて掃除に時間をかけられない人にとっては、大きな負担です。犬を飼う前に、掃除の手間が増える点を理解したうえで、犬との生活を望むかどうかを考えましょう。

住む場所が制限される

賃貸住宅の場合は、ペット可の物件を探す必要がありますが、物件数が限られています。ペット可の物件であっても、ペットの種類や大きさに制限がある場合が多くあります。ペット可の物件は、家賃が高額です。ペットによる汚れや傷み、臭いなどで原状回復費用が高くなるからです。

ペット可の物件であっても、近隣住民への配慮は欠かせません。犬の鳴き声や臭いなどが原因で、トラブルに発展する可能性もあります。防音や消臭など、事前にできる限りの対策をする必要があります。現在の住環境だけでなく、将来的に引っ越しをする可能性なども考慮したうえで、犬を飼うか決めましょう。

睡眠時間が制限される

犬を飼うと、睡眠時間が制限されます。犬は毎朝決まった時間に散歩や食事、トイレなどの世話が必要になるからです。子犬や老犬の場合は、排泄の回数が多いため、早朝に起こされることも珍しくありません。朝はゆっくり寝ていたい人や夜型の生活を送っている人は、生活リズムを変えなければなりません。

最初は、早起きが辛く感じますが、犬との生活を続けるうちに、自然に早起きの習慣が身に付きます。犬を飼うと、睡眠時間が制限されるデメリットはありますが、規則正しい生活リズムや健康的な生活を送れるメリットもあります。

犬を飼うとできること

犬を飼うとできることは、以下の3つです。

  • 癒しを得られる
  • 新しい友人ができる
  • 飼い主としての責任感が生まれる

犬を飼うと、心身の健康や社会性の向上など、さまざまな面でプラスの影響があります。ただし、飼育には責任も伴うので、十分に検討しましょう。

癒しが得られる

犬を飼うと得られる大きなメリットの1つは、癒しが得られることです。具体的には、以下のような癒しの効果が期待できます。

  • ストレス解消
  • 心の安らぎ
  • 無条件の愛情
  • 歓迎の喜び
  • 孤独感の軽減

仕事や人間関係で疲れたときや落ち込んだとき、犬の存在は安らぎを与えてくれます。犬は、人間の言葉を理解できませんが、飼い主の感情を敏感に察知し、寄り添ってくれる存在です。犬と一緒に遊んだり散歩したり、ただ一緒にいるだけでも心が穏やかになり、幸せな気持ちになれます。

家族の会話が増えたり、一緒に過ごす時間が増えたりすると、家族のコミュニケーションが活発になります。犬は、単なるペットではなく、心の支えとなる大切な家族の一員です。

新しい友人ができる

犬を飼うと、犬を通じて新しい友人ができます。犬の散歩やドッグランなどを通じて、他の犬の飼い主と交流する機会が増えるからです。散歩コースで、同じように犬の散歩をしている人と挨拶を交わすようになり、犬の話をきっかけに友人になることがあります。ドッグランは、さまざまな犬種の犬と飼い主が集まる場所です。

犬の様子を見ながら、飼い主同士で情報交換をしたり犬のしつけについて相談したりするうちに、仲良くなることもあります。同じ趣味を持つ仲間と交友したい場合は、犬のイベントや飼い主向けのセミナーなどへの参加がおすすめです。犬に共通した話題があるため、初対面でも会話が弾みやすく、すぐに打ち解けられます。

犬を通じてできた友人は、犬の飼育に関する悩みを相談したり、情報を共有したりできる存在です。犬だけでなく、飼い主同士の趣味やライフスタイルが合うことも多く、プライベートでも親しくなれます。

飼い主としての責任感が生まれる

犬を飼うと、飼い主としての責任感が生まれます。犬は、自分で食事を用意することも、病気を治すこともできません。飼い主が犬の健康と安全を守り、責任を持って育てる必要があります。毎日決まった時間に食事を与え、栄養バランスの取れた食事を考えることは、犬の健康を維持するために重要です。

適度な運動は、犬のストレス解消や健康維持に欠かせません。犬が病気やけがをしたときには、早急に動物病院に連れて行き、適切な治療を受ける必要があります。日頃から犬の健康状態を観察し、異変に気づいたらすぐに対応できるように準備しておくことが重要です。

犬が社会の中で他の人や犬と共存するには、基本的なしつけも必要です。無駄吠えや噛み癖などの問題行動を放置すると、周囲に迷惑がかかります。犬を育てる経験を通して、飼い主自身も成長し、人間としての責任感が強まります。

犬を飼う際の注意点

犬を飼う際の注意点は、以下のとおりです。

  • 経済的な準備をする
  • 住環境を整える
  • 家族の同意を得る
  • 緊急時の預け先を決める
  • 最後まで責任を持つ

経済的な準備をする

犬を飼育するには、初期費用だけでなく、ランニングコストがかかります。初期費用とランニングコストを事前に把握し、無理なく支払えるかを慎重に検討しましょう。犬の購入費は、犬種や購入方法によって異なりますが、数万~数十万円が相場です。

ケージやベッド、食器、トイレ用品、首輪、リードなど必要なものをそろえると数万円はかかります。ドッグフードは種類や量によって異なりますが、月に数千~1万円程度は必要です。医療費は、予防接種やフィラリア予防、ノミ・ダニ駆除、健康診断などで年間数万円は必要です。

病気やけがの治療費は、高額になることもあります。ペット保険は任意ですが、万が一の病気やけがに備えて加入すると安心です。保険料は犬種や年齢、補償内容によって異なります。犬種によってはトリミング費用が必要で、旅行に行く際は、ペットホテル代もかかります。

犬を飼う前に、必要な費用を十分に理解し、無理なく支払えるかを慎重に検討しましょう。十分な経済的余裕がない場合は、犬を飼うことを見送ることも重要です。

住環境を整える

犬を飼う前に、犬が安全で快適に過ごせるような住環境を整えることが重要です。犬が自由に動けるスペースがあるか確認しましょう。犬がけがをしたり、物を壊したりしないように、危険なものや壊れやすいものは、犬の手の届かない場所に移動させてください。

床がフローリングの場合は、滑りやすく、足腰に負担をかけるため、けがをする可能性があります。カーペットやラグなどを敷いて、滑りにくい環境に整えましょう。犬が快適に過ごすためには、温度や湿度にも配慮する必要があります。

犬は、人間よりも暑さや寒さに弱い動物です。夏はエアコンや扇風機を使って室温を適切に調整し、冬は暖房器具や毛布などを使って寒さ対策する必要があります。犬は独特の体臭を持っているため、臭い対策も必要です。こまめに掃除をしたり、消臭剤を使ったりして、臭いを対策する必要があります。

集合住宅に住んでいる場合は、近隣住民とのトラブルを避けるため、臭い対策や防音対策をしっかりと行ってください。

家族の同意を得る

犬を飼うと、家族の生活に大きな影響を与えます。犬を飼う前に、家族の同意を得ることが重要です。犬の世話は、家族の協力が必要なため、反対する家族がいる場合は犬を飼うべきではありません以下の点について話し合い、合意を得る必要があります。

  • 犬の世話の分担
  • アレルギーの有無
  • 生活リズムの変化
  • 経済的負担の分担
  • 犬種の選択
  • 飼育スペースの確保
  • 長期的な飼育計画

犬アレルギーの家族がいる場合は、注意が必要です。犬を飼うと、アレルギー症状が悪化する可能性があります。事前にアレルギー検査をして、主治医に相談してください。経済面でも、えさ代やペット保険など予想以上にお金がかかるため、負担の分担について話し合うことが大切です。

小さな子どもがいる家庭では、犬との接し方について、子どもにしっかりと教える必要があります。犬は、子どもにとって良い遊び相手になりますが、接し方を間違えると、事故につながる危険性もあります。

犬を飼うことは、家族の同意と協力が不可欠です。家族全員が犬を迎え入れる準備ができているか、よく話し合ってから決めましょう。

緊急時の預け先を決める

病気やけが、災害などの緊急時に備えて犬を預けられる場所を事前に決めることは、飼い主の重要な責任の1つです。飼い主が急な病気やけがで入院が必要になった場合、犬の世話を誰かに頼む必要があります。地震や台風などの自然災害が発生した際は、犬との避難が難しい場合もあります。

親戚や友人、ペットホテル、動物病院での一時預かりサービスなどを確認しましょう。預け先に犬の情報がわかるように、以下の情報を準備してください。

  • 犬の健康状態
  • 食事や薬などの情報
  • かかりつけ病院の情報
  • 緊急時連絡先

預け先と犬との相性もあるため、試験的に何度か利用し、犬が安心して過ごせるかを確認するのも重要です。社会化訓練を行い、他の環境に慣れさせると、預け先でのストレスを軽減できます。

突然の事態でも慌てないように、事前に準備を整えて、愛犬の安全を確保しましょう。

最後まで責任を持つ

犬の寿命は、犬種や健康状態によって異なりますが、一般的には10~15年程度です。長い期間、愛情と責任を持って、最後まで飼い続ける覚悟が必要です。犬の死後の対応(埋葬や火葬など)まで考えなければなりません。

引っ越しや結婚、病気、経済状況の変化など、将来的にどのような状況になっても、責任を持って飼い続ける必要があります。飼育放棄は絶対にしてはいけません。理由に関係なく、一度飼い始めた犬を途中で手放すことは、犬に大きな精神的苦痛を与えます。

飼育放棄された犬は、保健所や動物愛護センターで保護され、最悪の場合は処分されます。犬を飼育できなくなった場合は、飼育放棄せずに獣医師などの専門家に相談しましょう。
» 長く愛犬と過ごしたい!犬の平均寿命と寿命を延ばすポイント

犬の飼育に関するよくある質問

犬の飼育に関するよくある質問に答えます。飼育の疑問を知りたい人は、参考にしてください。

  • 犬を飼うのに向いている人は?
  • 犬のしつけはどうする?

犬を飼うのに向いている人は?

犬の世話には、時間と労力が必要です。以下の資質や条件が求められます。

  • 時間に余裕のある人
  • 経済的に安定している人
  • 動物好きな人
  • 責任感のある人
  • 犬の習慣を理解している人

犬は人間の言葉を理解できないため、人間の思い通りに行動してくれるとは限りません。犬の行動に対して、イライラしたり怒ったりせずに、忍耐強く愛情を持てる人が向いています。資質や条件をすべて満たしている必要はありませんが、犬を飼う前に、自分自身が犬を飼うのに向いているか考えることが大切です。
» 犬を飼うのに向いている人、向いていない人の特徴を解説

犬のしつけはどうする?

犬のしつけは、犬が人間社会で暮らしていくために必要です。基本的なしつけを行うと、犬の問題行動を予防し、ストレスなく快適に過ごせるようになります。しつけを開始する時期は、子犬の頃から始めるのが理想です。子犬は吸収力が高く、新しいことを早く学ぶため、しつけを早く覚えます。

成犬になってからでも、しつけを行うことは可能ですが、子犬に比べると、時間と根気が必要になります。犬のしつけの基本は、褒めることです。良い行動をしたときに、大げさなくらいに褒めてあげることで、犬は良い行動を学習します。

トイレの場所で排泄できたら、褒めることを繰り返しましょう。失敗しても叱らず、成功したときに褒めることが重要です。「おすわり」「まて」「ふせ」は、犬におやつなどのご褒美を見せながら、行動を関連付けて教えます。子犬の頃から多くの人や犬、環境に触れさせ、社会性を身に付けましょう。

しつけの注意点は、家族全員が同じルールでしつけを行うことです。人によって言うことが違うと、犬は混乱するため気を付けてください。犬を叱りすぎないことも重要です。犬を叱りすぎると、萎縮したり飼い主との信頼関係が崩れたりする可能性があります。

しつけに困ったときは、プロのトレーナーに相談するのも1つの方法です。トレーナーは、犬のしつけに関する専門的な知識と技術を持っているため、効果的なアドバイスがもらえます。
» 犬のトイレのしつけ手順とおすすめのグッズを紹介

まとめ

犬を飼うと、自由に旅行や外出ができなくなったり、経済的な負担が増えたりします。現在住んでいる場所だけでなく、将来住む場所も考えなければなりません。犬を飼うと、癒しや新しい人間関係を得られます。

犬を飼う際は、以下の点に注意してください。

  • 経済的な準備ができているか
  • 住環境を整えているか
  • 家族の同意が得られているか
  • 緊急時の預け先を決めているか

犬は、単なるペットではなく、家族の一員です。「犬を飼うとできなくなること」と「犬を飼うとできること」の両方を理解したうえで、犬を飼うか考えることが大切です。犬を飼うと決めたら、最後まで責任を持って、愛情深く育てましょう。
» 初心者でもわかる犬の飼い方

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